本当の難しさを超える

 昨日「シュルレアリスムと日本」という展覧会を鑑賞する機会がありました。この展覧会は始まった時から行ってみたいと思っていたものでした。何故かと言うと、ずっと前にルネ・マグリットの展覧会での印象が強く残っていました。そしてシュルレアリスム(超現実主義)の言葉を知っていました。つまりマグリットの作品に触れただけの知識でした。
「シュルレアリスム」は1920年代後半に日本に入って来たもので仏生まれたということさえ、この展覧会で知りました。多くの作者の中で私が知っていたのは、東郷青児だけです。そうあの何とも言えない曲線で描かれた美人画の画家です。私の中では銀河鉄道999に出てくるメーテルと重なってしまうのですが。余談でした。その東郷青児たちが日本で初めて二科展に出展したことも知りました。「超現実派の散歩」という作品でした。
 ここでシュルレアリスムを発表してから100年が経ったアンドレ・ブルトンの宣言です。「心の純粋な自動現象であり、それにもとづいて口述、記述、その他あらゆる方法を用いつつ、思考の実際上の働きを表現しようとくわだてる。理性によって行使されるどんな統制もなく、美学上ないし、道徳上のどんな気づかいからもはなたれた思考のかきとり」とあります。このような難しい話にならず、気楽に鑑賞するはずだったのですが・・・。
 日本に入ってからの歴史的背景を考えるとかなり厳しいものがそこにはありました。1918年第一次世界大戦終結と共に日本は軍国主義に向かっていきます。その中で超現実主義は人間の純粋で自動現象ですから、「国のため」、「結束」などとは方向の異なるもの。つまり弾圧が始まります。身を潜めての活動が続いたようです。画家や作家の中には逮捕収監された者も多かったと言います。だからなのでしょうか、重く暗い作品が多かったように感じました。当時の画家、作家たちの心の中は大変だったのでしょう。以前に行き、思い出したと言うルネ・マグリット展のことを調べてみました。京都の国立近代美術館で、ここの歴年の催しを調べたら1971年でした。53年前のことでした。
 いつの時代も自分に忠実に生きよう、純粋な自動現象のままに生きようとすることはとても難しいことなのだと改めて理解しました。この超現実主義の芽が出た時は、絵や文字文章としてでも表せない時代です。今の私たちの国は、気に入らないところは沢山あります。しかし好きなものを食べ、言いたいことを言い、見たいものを見て、勿論許容範囲はありますがしたいことをして過ごすことが出来ます。ネットで調べ、答えも出せます。ただ本当に難しいことはそこにはありません。何故か。難しいことは自分の中から湧き出るものではないでしょうか。その本当の難しさを努力と知恵で乗越えた時に自分が見えるのでは。いろいろ考えさせられる展覧会でした。こんな夜は、モダンジャズなどを聴きながらワインではなくウィスキーが似合うかも知れません。お母ちゃんにも知られず。

「あんた、今日は静かやないか。なんとしたん。どっか悪いのか?」
「(決して弾圧ではないですが、手枷足枷が付いています。) はい、何もなく元気です」。

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