自分の心、そしてやはり人です

　今週火曜日でした。朝のニュースは、線状降水帯が発生する可能性があるので大雨情報には十分注意して、時間に余裕をもって行動するようにと言っていました。ちょうどこの日電車に乗って出掛け、出席する会議がありました。時間に余裕を持ってと1本早い電車に乗りました、地下鉄に乗り換えいつもの駅へ行きました。結構雨が降っています。いつものタクシー乗り場には全くタクシーの姿はありません。道路を走っていくタクシーにも注意しながら約30分近く待ちましたがタクシーはありません。雨の日に対する考えが甘かったのです。余裕のあった時間もどんどん減っていきます。
　今まで考えたことの無かった公共路線バスに思い切って乗ろうとしました。近くのバス発着所は屋根があります。とりあえず屋根の下へ。しかしバスの乗り方、どのバスに乗ったら良いのかわかりません。これも思い切ってバスを待っている人に「すみません、○○まで行きたいのですが、どのバスに乗ったらいいのでしょうか」と聞いてみました。その方はバス路線を知ってみえる親切な方で、私が行きたいところを通るバスの乗り場まで連れて行って下さり、路線図を見せて、「この乗り場から乗って、○○で降りればいいですよ」と優しく教えてくださいました。とても嬉しく安心な気持ちにさせてくださいました。待っているとバスが来ました。結構多くの方が乗り込みます。何とか座ることができ車内放送に注意していると「次は○○」と教えていただいた停車場です。隣の方に「○○に行くのは次で降りると聞きましたが」と聞くと、「そうですよ、私も○○に行きますので案内しましょう」と言っていただきました。
　なんという日でしょう。全く見も知らずの方に助けていただくことができました。それも続けて。嬉しかったです。私が、「ありがとうございました」と礼を言うと二人共笑顔で「いやいや、よかったです」と言っていただくのです。少し前の時間の私は、地下鉄を降りてタクシーを待って、激しい雨の中で足から濡れて来て寒ささえ感じていました。「今日は何というツイてない日なんだろう」と少々不機嫌でした。ところが今はとても温かい気持ちで穏やかにいることができています。改めて人のありがたさに触れて癒され、心がスーッと穏やかになっていくのを感じました。とても心地よい時でした。それに学校に通っていた時以来と言ってもよいくらい路線バスに乗ることもできました。久し振りに初めての目的地に向かう時の自分の車では感じることのないワクワク感もありました。そして後で計算してみたらタクシーで行った時の何分の一の費用で済んでいました。改めて時間に余裕を持つこと、目的地にたどり着くには様々な方法があることを知っておくのは大切だと感じました。何よりも人と人との関わりの大切さ素晴らしさを何十年も前に自分が教わった時のようにもう一度教えていただき、そして公共交通機関のありがたさもバスで学校へ通っていた時を思い出させて勉強させていただきました。とても素敵で何か時空を超え小さい時の体験を思い出させるような不思議な大雨情報の中での出張でした。
　こんな日の夜は、美空ひばり、八代亜紀、いやいやちあきなおみなんかを聴いて、干物か煮魚をつまみながら一杯やりたいものですね。良いことも苦いことも昔のことが頭をよぎって、自分一人でニンマリするのが一番。今日はお母さんがいないので冷蔵庫にあるもので

「乾杯！　けど返事がないのは何となくつまらんもんやね・・・」