血の通ったまちづくり

 年明けは穏やかに過ごし、年始休暇が済んだら急激に忙しくなりました。そこに遠方からのお客さんを迎え、お陰様で1月に神宮へお参りさせていただくことができました。内宮では御神楽奉納の後、玉砂利を踏んでの御垣内参拝でした。しかし驚いたのはお参りしたのが1月20日月曜だったのですが、おかげ横丁の賑わいは想像を遥かに超えるすごいものでした。一緒に行かれたお客さんたち皆さんも「へぇっ、平日でもこんなに人がいるの!」と驚いてみえました。私もちょっと鼻が高い気分で「やはり日本の故郷ですから」などと言ってやりました。と同時に私の「まち」のことを考えました。「この人出の一割でいい、津に来て!」。思わず叫びそうになりました。
 現在エリアプラットフォーム「大門・丸之内 未來のまちづくり」という組織で大門・丸之内に賑わいを取り戻すことに取組んでいます。ただこの組織はイベントを行う組織ではありません。様々な実験をイベント的に行いますから「イベント屋」さんだと思われている向きもありますが、賑わいの元になるまちの人たちが出て来るか、求められているものは何かなどを調査し、それを地元の方々が自分たちで催すときのお手伝いです。また空き店舗や、空き家となっているところを調べ、その持ち主が、将来何か商売がしたい、借りたいという人がいれば貸してもいい、いやもう後継者もいないので売っても良いなど様々な意向をまとめ、借りることが出来るのなら借りて何かしたい、隣が売っても良いなら買って広い店で商売したいなどの考えが上手く一致すれば、その組合せを実現の方向に向けていくことがこの組織の本意です。実際に「イベント的」と書きましたが、実験を実施していると人は出てきてくれますし、賑わいもできます。しかしそれが終わると元の全く静かなまちに戻ってしまいます。聴くところによると、未だに何もしないで腕組して待っていたら恩恵がやってくると考えてみえる人もいるようです。そうであればこの上なく楽で嬉しいですが、なかなかそのようにはいきません。特に商店街などでは、みなと話し合い、自分の出来ることをして、仲間と協力し合い支え合っていかないといけません。
 人が求めているのは非日常性です。それはちょっとしたこと、どんなことでもいいのです。いつもと違う何かです。例えば、大門の観音様から南への道、大門大通りです。アーケードがなくなり、人もいないので寂しいです。ところがこの通りに路上のカフェにあるような洒落たテントが立つだけで雰囲気は変わります。そこに椅子があればテントの下で読書。カフェがないから缶コーヒーでいい訳です。何も大きな仕掛けが必要ではありません。やってみることです。気持ちの、血の通ったまちづくりです。それは地元に人が地元の匂いをさせて行うことだと思います。津まつりや七夕のあの賑わいは何なのでしょう。少人数で良いので何かやってみたい気分です。どなたか一緒にやりません?

「あんた、また何か考えてんのやろ。もうええ年なんやで、わかってるやろ」
「うん、せやけど“まち”死んでくで。なんかせな」
「けどホンマやな。この“まち”好きやったら何かせなアカンわな」
「な、道は血管、通る人は血や。血がかよたら温い。温いとこには人が来る。今日も中から温めよか」
「またこれや。ちょっとここんとこ飲み過ぎですに。けどな赤ワインって身体にええって聴きましたな」
「な、せやろせやろ。血かよわなアカンから、赤ワイン飲も。お前も一緒にな!」

, 会長ブログ

施工事例/計画案例

ホテル津センターパレス 三重の間

ホテル津センターパレス 三重の間

各種イベントに使用できるバンケットホール

ネッツトヨタ三重テクニカルトレーニングセンター

ネッツトヨタ三重テクニカルトレーニングセンター

新築の自動車ディーラー研修施設

只今施工中

ピックアップ

会長ブログ

  • 血の通ったまちづくり

     年明けは穏やかに過ごし、年始休暇が済んだら急激に忙しくなりました。そこに遠方からのお客さんを迎え、お陰様で1月に神宮へお参りさせていただくことができました。内宮では御神楽奉納の後、玉砂利を踏んでの御垣内参拝でした。しか … 続きを読む

お問い合わせ

株式会社辻󠄀工務店

059-226-2261

【年中無休】8:00~17:00
三重県津市大門28番13号