しろとり踊りフェス

地名としては郡上八幡が有名かもしれませんが、郡上白鳥へ行ってきました。ここでまちづくりや人づくりをしている団体の招きでした。「しろとり踊りフェス」と名付けられた催しです。しろとり踊りは400年の歴史を持つ、白山信仰に繋がる伝統的なこの地域の文化で、ここまでこの地域の人々が前の時代からの教えを受け、次の時代へと自然に引き継がれてきたものです。何とこの踊り、7月9日の発祥祭から9月21日まで毎日ではありませんが行われます。特にお盆の8月13日から15日の三日間は有名ですが徹夜踊りといわれ、踊って夜を明かします。しかしこのように古くからある地域特有のものは、人口減少が進む地域では次代への伝承が担い手不足に悩んでいると聞きます。奥美濃白鳥の夏の風物詩「しろとり踊り」も例外ではないようです。

今年のこの祭り、今まで世話をしていた地元の商店主らでつくる発展会が高齢化のため4月に解散してしまいました。何とか続けようと考えた人たちが知恵を絞り地元の中高校生に企画を募集。そうしたら中学時代から学校行事での踊りを主導してきた高校2年生が中心となって「元祖踊リーダー部」を6人で立ち上げ、お囃子の演奏も自分たちで行う企画とその運営を申し出てくれました。そしてさらにもっと幼い「ちびっこ」に踊りを教えようとの試みも行い、そこには地域を上げて「しろとり踊り」の存続に取り組むと共に地元地域の活性化を図ろうとする姿が見られ感動しました。ここには何か新しい匂いのするものがあると感じました。「しろとり踊りフェス」と名付けられ、金魚すくいや輪投げ、射的など子供たちも、お母さんお父さんたちも、高齢の方たちも、他の地域から来た人たちもみんなが楽しく過ごし参加していました。食べ物、飲み物も地元の方々のお陰でたっぷり用意され、たくさんの歓談の輪ができていました。素朴な村祭り的イメージのお祭りが出来たと感じられた地元の方は多かったのではないかと思います。

私たちのまちの「津まつり」。考える時期に来ている気がします。予算総額は何千万円。来場者は何十万人の「まつり」がこのまちに似合うのでしょうか。観音様の縁日、高山神社と城跡で高虎さんを讃えるのまつり、昔は良港だった津の港です、「津なぎさまち」で港まつり等など、もう一度「まつり」の在り方を考えてみるのも、今周りの市町と比べると沈みそうになっていると言われるこのまちが息を吹き返すに大切ではないでしょうか。

「アンタ、楽しかったんやな、郡上。帰って来てからニコニコやん。よっぽどエエ思いしたんやな」

「オマエな、それはエエ思いや。エエかみんなやで、どの顔見てもエエ顔してるん」

「そやけど、ウチら、そんに大っきな祭やとは聴いたことないよ」

「オマエ、そこやないか。大きいとか人がようけ出るのがエエんと違ごて、そのまつりのハートや」

「ハートなぁ」

「あのな、そこに人の純粋な思いや気持ちが入って、底抜けに楽しめるかどうかやと思うな」

「アンタ、それってムッチャ難しいんと違うの。気持ちが一つになる言うことやろ」

「そうや、難しいさ。けど難しい中で一杯やる。そしてだんだんおんなじ方向いてな、また飲むんよ」

「わからんこと言う人やな。わからん時はやってみる。これ鉄則やな、よっしゃ、飲もか!」

「なんや、最近オマエの方が飲も飲も言うな! これもオンナジ方向向いてんのかな」

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