マドリッドの思い出

　GWが終わります。最長10連休だとテレビで騒いでいました。昭和の時代、私が学校企画の旅行で欧州へ行かせてもらった時、確かマドリッドのホテルにあるプールでのことです。そのプールサイドで一人本を読んでいる素敵な水着姿の女性がいました。話し掛けました。自分でも驚く程上手く話せました。彼女はオリベッティで秘書の仕事をしてみえ、1カ月のバカンスだと言ってみえました。これからポルトガルへ行くとも。「へぇ、1カ月も休むめるんだ」と思いました。今から約50年も前のことです。しかし何連休でもいいですが、混雑した交通機関、目的地、そしていつもより高い料金を払って過ごすGW。マドリッドの女性は一人静かにプールサイドで読書です。自分の身体を休め、自分自身を見詰め直して、新しい気分でまた仕事に向かう。齷齪（あくせく）していません。
　こんなことを考えていたら、日本人はいつから賃金や働き方を人に決めてもらわないといけない人種になったのでしょう。政府や政治家が賃金を上げろと言ったり、働く時間を制限したり。特に政治、政治家たち。裏金騒ぎの自民党。与党に居たいからあまり言わない公明党、スキャンダルが大好きな野党。これらみんなひとまとめにして党を作ればいい。私が名前を付けて進ぜましょう。「悪党」って言うのはどうでしょう。経済人も悪い。会社を大きくして、内部留保ばかり。世の中を良くしようと考える本当の経営者はどこへ行ったのですか。高給取りのサラリーマン、目をしっかり開けなさい。自分が社長の間だけ無事なら気持ちの蔓延が世間を悪くしています。
　今必要なのは自分で責任の持てる人、そう旦那、旦那衆です。少なくなってしまった気もしますが。しかし今旦那たちは声を潜めています。声を上げる時ではないと認識しているのでしょう。必ず声を上げる時がまたやって来ることも知っているからです。それは人間だからです。先頃のAI出現は人間性への回帰にはグッドタイミングに思えます。「金」をすべてにしてしまった今、見てください戦争も請け負う企業が現れ、金をもらって殺人を犯す。昔の殺し屋とは違います。例えばゴルゴは信念を持っています。今は「闇バイト」です。アルバイトです。どうしてこんな状態にしたのでしょう。欲望ですよね。せめて人間としてこれはいいことなのか、度を越していないか、他の人に迷惑を掛けないか、そして人が本当に喜ぶかを考えましょうよ。
　話は変わりますが、「神道は宗教か」との話で「日常生活の規範」と聞きました。納得です。私は神の存在を信じますし、神に畏敬の念も持っています。一つくらい怖いものを持つことは人間にとって大切です。私にはもう一人「カミさん」という神がいるのですが、
「あんた、またゴールデンウィークどこへも行かへんだな　来年はどっかいこか」
「うん、せやな」
「あんた、あんまり気のない返事やけど、あんたが1年飲まんだら、ビュッと海外行けるで　どややってみるか」
「お母さん、毎日ギスギスする方が嫌やわ　日々の平和のために今晩も飲も飲も」
「せやな、よっしゃそうしょー」（今夜も平和な時間が流れそうです）。