幕引き

　3月は観桜会で終わりを迎えました。久し振りの夜桜見物で楽しい時間を過ごさせていただきました。4月に入っては既に統一地方選挙前半戦が始まっており、県議会議員候補の街宣車が走り回っていました。そのような中、もう少しで80歳を迎えられる方が主宰（？）される会がありました。年齢のせいか少し体調を崩され、会を続けることが難しくなられました。残念でしたが、その会の幕引きのお世話をさせていただきました。改めて幕引きの難しさ、新しく何かを立ち上げるよりもはるかに労力が必要なことを思い知らされました。発展的な幕引きではないので感情的にも虚しさ、儚さみたいなものが漂っていました。
　その主宰の方と二人きりで話をする機会があり、自分の中にある思いを吐き出された時、カッと見開いた眼で話をされました。それは喜び、憎しみ、怒り、恨み、感謝、自己嫌悪など感情のすべてがあったように感じました。状態が良くなっていくのならまだしも、年齢と共に状態が悪くなっていくことには抗う術はありません。私もわかっていながらきつい言葉も吐いてしまったこともあったと思います。反省しています。自分も行く道なのに。どうすれば良いのでしょう。誰もが通る道です。
　一つ方法がある気がします。それは一人にならないことです。いつも誰かが周りに居るということくらい素晴らしいことはありません。この会も今までの会員の有志で、今後趣を変えて世間話が気楽にできる会に変わっていくようです。良かったと思い、胸を撫で下ろしています。昔から「人」という字は、寄り添い支え合っていると教えられました。人間の最も大きな敵は「寂しさ」かも知れません。そのようにならないよう皆と仲良くして行ける人生を歩みたいと思います。
　統一地方選挙もすべて終わりました。ゴールデンウィークはゆっくり休ませていただき、今まで読めなかった本を読んで過ごそうと思います。そう、日が傾くころからは、「今日は何にしようか」と考えを巡らせ、その日に私を見て「飲んで！」と叫んでいる可愛い子を見付けて、その子と将来を描いて眠りにつくとしますか。
「あんた、掃除や庭の手入れもあるんよ！」。
ここのところは明るく一段と高い声で「はーい、わかってるよ」って返事をしましょう。肴が一品増えるかも知れません。