楽観・悲観・諦観

「楽観主義バイアス」という言葉に触れました。辞書をひくと「異常事態を過小評価する心理」とあります。今日のこの話は、山岳遭難で遭難の原因で最も多いのが道に迷うことだそうです。迷ってしまった時に、直ぐ引き返せばいいのに、このままいっても何とかなるとの心理が遭難につながると書いていました。確かに私にも思い当たることがあります。車を運転していて、いつもと違うところを曲がってしまったが、「こっちの方向だから、このまま行けば知っている道に出るだろう」とそのまま行くととんでもないところに行ってしまい、人との約束の時間に大きく遅れた経験があります。
 このところ地震や強風などによる自然災害が後を絶ちません。急に襲ってくる地震への対応は難しいですが、気象関係は予報として事前に伝えられます。例えば「発生が予想される南岸低気圧の影響で台風並みの雨風が予想されます。場合によっては避難し、命を守る行動が必要です」と気象予報士の呼び掛けがあったとします。この呼び掛けに応じることなく、「大丈夫だろう」って言いながら被災され、命を落とされた事例はあるのではないでしょうか。これは楽観主義バイアスが最悪の方向に働いた例だと思います。
 逆に「悲観主義バイアス」というのもあって、これは「個人が自身や将来の出来事に対して、否定的で悲観的な見方や予測を持ちがちな傾向」と言われています。例えば、自分は病気かも知れないと思ったが、病院に行って検査をするのも怖くて行かず、症状が強く出て、病院に行ったら手遅れ。最初に思った時に楽観主義バイアスで、「よし、検査しよう。病気だったら早いうちなら何とかなるし」と明るく前向きに考えて動けば助かったかも知れません。
 これ以上は心理学の世界なので私には難しいので止めます。しかし楽観主義バイアスは人間の精神衛生上大切なもので、悲観主義バイアスはうつ病になるとも言われています。楽観だけでもいけないし、あまり楽観過ぎるのも困ったことだし、悲観も少しは無いといけない。この二つのバランス感覚が必要ですよね。これを楽観だ悲観だではなく、この二つを頭の中で使い分ることが大切なんですね。
 楽観、悲観の他に諦観というのがあります。これは仏教の言葉で「たいかん」と読み、辞書には「明らかに真理を観察すること」とあります。仏教でと言われると、座禅でも組んで瞑想に耽り、真理を見極めるようで何か時間が掛かりそうですが、究極は楽観でも悲観でもなく諦観なのでしょうね。今、世の中は悪いこと、落胆させられることばかりの気がします。そんな時は、「明日があるさ」、「夜明けの来ない夜はない」、「日はまた昇る」などと口遊み、元気の元をいただくとしましょうか。
 この前、カミさんに内緒で買ったワインが少し前に届いたので、これを開けて今日は気持ち良く眠りにつくとしましょう。

「あんた、買ったワインな。なかなか美味しかったわ。支払いがアンタやから余計美味しいわ」
「えぇっ、もう飲んだんかいな。何で1本足らんのやろ思てたんや(もう、このォ~っ!)」
「あんた、今日はちょっとエエ摘み作るから、一緒に飲もな」
「はは~い。美味しい摘みをお願いします。今夜はこの出来事の真理を見極めます」

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